自分の行動力について
今まで、自分には行動力があるほうだと思っていました。
というのも、高校の卒業後は大学へ進学せず、友達の伝手を使って2週間人生初のアメリカ生活を送ってみたり。
そのままバイトを続けて、半年後にはアメリカの短大へ入学したり。
帰ってきて投資をしたり仕事をしたり、日本の大学受験をもう一度したり。
そのほかにも、面白そうだと思うイベントには割と抵抗なく参加したりできたので、行動力はないわけでないと感じていました。
それでも今回読んだ本にタイトルで惹かれたのは、もちろん最近本屋さんで目立つように展示されていたからもありますが、最近の自分に行動力が少なくなってきたからだったのではないかと感じる部分もあります。
大学に入学してからは、日本での定型レールに乗ったような感覚にもなりました。
普通に学生生活を送り、バイトとインターンをして学費を稼ぎ、日系企業の得意を活かしたエンジニアとして就職をする。
うーん。あまりにもありきたりである。
18歳で受験に失敗して、アメリカに行くぞ!と意気込んだ時には、逆に想像も全くしていないような人生になっているわけです。
ただそういった意味では、最近引越しに成功した(?)ので行動力は⚪︎かなと思います。環境を変える一番手っ取り早い方法は住環境を変えることですから、明らかに変わりました。
あとは4月から新しい仕事を始めたり、新しい趣味を始めたりともありますが、それでも自分のコンフォートゾーンから出るような行動は、20代前半の時と比べると少なくなってきたんじゃないかなと思います。
行動力というか、無謀とも言えるような行動ではあったので、この辺りの言語化しても面白そうだなと書きながら思いました。笑
なんともまとまりのない前置きでしたが、本記事では長倉顕太さんの「移動する人はうまくいく」を読んだ感想をつらつら書いていこうと思います。
章に入る前のメモ
- 筆者はもともと出版業界で結果を出してきた人
- 本書は筆者の人生体験を綴った本であること
- 実践した結果、筆者はハワイやカリフォルニアに移住して年収も30倍になったこと
出版業界も面白そうな業界ですよね。本を書くいろんな人と触れあることができるという面は、本を読むことが好きな自分から見るとはちゃめちゃに素敵で魅力的だなと感じます。
よく自己啓発系のコンテンツに現れる「行動」至上主義的な理論に付け加えて、本書では環境の力にフォーカスを当てています。
繰り返し出てくる概念として、
環境→感情→行動
があり、じゃあ行動を変えるためには環境を変えないといけないよね。というのが一貫した主張っぽいです。
これに関しては心から同意ですし、なんなら皆さんもそりゃそうだよねと感じる部分もあるのではないでしょうか。
環境の力というのは痛いほど実感もありますし、頭ではわかっているけど、、、みたいな人は6章の「移動体質」になるためのアクションプランを立ち読みしてみるのも面白いのではないでしょうか。僕個人的には、頭でわかっているけど今一歩ねぇ。続かないんですよね。みたいな状態なので1章から順繰り自己暗示をかけて読み進めて行きました。
1章
本書、入りから結構面白いです。
人類が不幸になった原因は定住である。
という仮説について書かれています。この仮説に関しては、確かになと思いました。
最近「地面師たち」にどハマりして一気見したのもありますが。笑
人類の歴史とは土地の歴史。そもそもの業は、人類が土地を所有したがるという考えにある。
みたいな描写を思い出し、さらにこの本を読んだことで、なんとも腑に落ちてしまい考えさせられました。
タイムリーなネタもありつつ、移動を取り入れるだけで人生が好転するロジックで3章が組み立てられていきます。
まず、人間の脳は狩猟採集時代から比べると小さくなっている。それは単純に、生きていくために必要な知識や覚えておかないといけないことが減ったからである。ではこのようなサバイバル能力のようなものを覚醒させるためにはどうしたらいいか。
それは、「不安定感」を養うということでいけるらしい。
不安定感。。。実際自分が人生不安定だなと感じている時は、安定したいと感じていましたが、若干の安定を手にしてしまった今は不安定になりたいとさえ多います。これを移動で補えってことなんですかね。
また筆者はこの章で、「移動することで才能と能力が開花する」ともいっています。
行ったことのない、全く違う環境に行くことで、自分の感覚を取り戻すセンサーを再起動することができるともいっています。
確かに、住んだことのない土地で、明日には強制帰国になるかもしれない。みたいな状況だと、感覚が研ぎ澄まされて、何がなんでも情報を集めてなんとかしないといけない。という状況を生き抜くためにがむしゃらに頑張れる感覚があります。
人間が本来持っている感覚が蘇ってくるというのはこのことかと思いました。
これ自体は、筆者が人の話を聞く経験から得た発想だそうで、「やりたいことがない」であったり、「月収100万を得たい」「海外移住したい」というありきたりな嘘の夢を叶えたい相談をよくされることがあったらしいです。
このような「ハイハイ。あなたもね」みたいな悩みが生まれるのは、自分の「好き嫌い」を感じる能力が低下していることが原因らしいです。これ、「人生、こんなはずじゃなかったの嘆き」でも出てきましたね。自分がないから自分の好きなことがわからない。自分の中の、幼少期に成長させることができなかった心の不満を解消しないことには妬みだけの人生になってしまうといっていました。
こればっかりは日本の社会や教育がそのようにさせてしまうのである程度はしょうがないと言います。
このような社会で、自分の感性の再起動の役割を果たすのが移動とのことです。
そうかも。
僕がまた自分の時間を取り戻して、このようにブログを書いたり、Gymに行く生活を復活させたりと、より充実した生活をするための行動ができるようになっているのも環境が変わったからというのが大きいです。
もちろん移動すること自体が大変だというのもありますが、この環境が変わったことによる脳への刺激をうまく使って、いい習慣を作りたいですし、仕事に良い影響も与えたいですね。
キャラクターの決まり方
これらの章の中でも、筆者は「キャラクターは環境が決める」といっています。これは平野啓一郎さんの「私とは何か、個人から分人へ」という本でもいっていました。10年前の本ですが、社会には、アメリカ輸入のアイデンティティ主義が横行し、いかに首尾一貫した個人が大事かというのが大事であるというような風潮がで回っていました。TED Talkでもアイデンティティが大事という動画を当時よくみていたものですが、この本はそれのカウンターのような本でした。
環境によって人が演じる役割は違うのだから、それで良いのだ。と、当時の自分は解釈しました。また読みたい。。。
そう、環境で個人個人のキャラクターは変わるのです。ということは、自分を変えたい人には環境を変えてもらうのが一番。そりゃぁそう。
ただ、僕は今の自分を変えたいという欲求はないので、ここはスルー目にいきます。
4章
4章では、なぜ移動する人は仕事にもお金にも恵まれるのか、ということについて書かれています。
特に自分は将来独立して働いてみたい気持ちもあり、この章の内容は面白かったです。
何をやるかにフォーカスすると失敗する
環境が大事だというのは再三確認しました。しかし、多くの人が独立を考えた時に「何をやるか」にフォーカスしてしまうそうです。ここ、個人的には、「え、そうじゃないの?」という気持ちでした。笑
「自分の強みはなんだろう」「自分がやりたいことはなんだろう」「自分に向いているのはなんだろう」みたいな思考に陥りがちですが、これをやっていくと「独立したものの、もっと忙しくなった」みたいなことになりかねないそうです。
これはー。目的が独立であって、忙しさは増えても構わないという意図なら問題ないと思うのですが、そもそもなぜ独立したいか。ですよね。そして筆者はこの本を通して、「選択肢が多いこと」が、幸せにつながると述べています。つまり、筆者が独立を進める理由は選択肢が多くなるから。だと言えます。
選択肢を広げるために独立しているのに、忙しくなって時間がなくなったらそもそも独立した意味ないじゃん理論ですね。
そして次の節では、「コンテンツビジネス」を進めていました。この辺りは生存者バイアスもありそうですし、好き嫌いありそうですね。僕はどちらでもないです。やる分には問題ないですけど、これを頑張っているというのは公にしたくないというのが本音ですね。
あとは、環境を変えるために付き合う人も変えるべきというのが筆者の意見なのですが、正直僕は今いる友達を大事にしたいと思っています。もちろん自分が変わって新しくできる友達も聞こえは魅力的ですが、今周囲にいる人を大事に過ごしていきたいなとも思います。
最後に
自己啓発系の、最近のうまくお金を稼いでいる人たちの仲間入りをしようみたいな雰囲気を受け取りました。そうでなくても、人生の選択肢を増やすために移動するべきだという本でした。
移動から得られる刺激があることには賛成です。
そして、それによって人生が好転することもあるでしょう。
ただ、それによって自分が大事にしているものまでが失われてしまったら元も子もないなと思いました。
筆者と読者の求める人生が違っていては、そりゃ全てを鵜呑みにする訳にはいかないですよね。この考え方が出てくるだけでも、海外に行く前の自分とはだいぶ違う価値観に育ったなと感じます。
行き(生き)詰まったら移動するのは最も効率的で最強の手段だなと感じた一冊でした。